第134回天皇賞(秋)(GⅠ)
タップダンスシチー、ストーミーカフェという逃げ馬がいながらも、超がいくつ付いてもいいようなスローペース。内を巧く立ち回ったヘヴンリーロマンス、ダンスインザムードが①③着、間を割ったゼンノロブロイが②着。外を回っては話にならなかった昨年を思い起こさざるをえない、生粋の逃げ馬不在のメンバー構成となりました。
京都大賞典が不本意だったインティライミが「他にいなければ」行く構えを見せています。ダイワメジャーも瞬発力勝負は苦手のクチ、毎日王冠同様に早めの策をとるはず。となると、スローになったとしても昨年ほどではないし、ちょっと遅めの平均くらいで流れるのでは?という推測も成り立ちます。どちらにしても、今の府中、GⅠとなれば上がり33秒台~34秒台前半が出せないとつらいのも確か。また、↓の「この馬、消しちゃった!」でも書いたように、中を割れる差し馬が台頭していることも考慮に入れないとなりません。ただでさえ、力差に大差ない組み合わせ、より難解となります。
①アサクサデンエン
惨敗からの巻き返しは、安田記念で既に見せられているので1番人気⑬着の前走は参考外とできます。しかし、距離延びて? マイラーと決め付けてしまっていいのではないかと。内枠も気難しいだけに不安材料です。
②カンパニー
安田記念も毎日王冠も不利を受けていて、偶然とはいえ府中とは相性がよくありません。初の2000㍍だった大阪杯を見ていると距離もOKかと思いがち。しかし、昨年の京阪杯から本来は1800㍍がベストとみています。また、GⅠ常連の出走するGⅡだと煮え切らなかったりで、GⅠとなると押しが足りないはず。
③サクラメガワンダー
昨年暮れのラジオたんぱ杯を勝ったときはどこまで伸びるかと期待しましたが、イマイチ成長力に欠けています。毎日王冠も上がりはNO2の34秒0でしたが、突き抜けそうな脚色から最後は止まっていました。東京の長い直線よりは中山、阪神向き。
④ダンスインザムード
過去2年②③着。適性に問題はありません。今年はスランプを極めた原因となった気性難も影を潜め、実に落ち着いたレース運びができています。ヴィクトリアマイルで勲章を手に入れ、遠征もこなし、帰国後も順調。一見、今年はチャンス? 一方で、牡馬相手だと詰めの甘さが出てしまうタイプ。思えばヴィクトリアマイルも内有利の馬場の1番枠と恵まれていたのも確かです。あと、ダイワメジャーとは仲良しで近い着順にいますが、常に後塵を拝しています。
⑤ローエングリン
脚質転換成功なりましたが、常に消していました。毎日王冠では、関屋記念→京成杯AHよりも前の位置取りになりながらも折り合って脚を伸ばしていましたが、ダンスインザムードの外に並びかけながらも、交わし切れず③着止まりになったあたりが、GⅠで?
⑥トリリオンカット
条件戦でも煮え切らない競馬が続いていたのに、グイグイ伸びてコンゴウリキシオーをクビ差捕らえた前走は本格化の兆しか? ただ、その前走、陣営も小回りに期待を賭けていたフシがあり、広い東京だと結果は前々走と同じ?
⑦スイープトウショウ
京都大賞典では予想でヌケにして最悪の結果に。逆に強さを再認識させられました。直線で2頭の間から抜けてきたあたりも今の馬場に合っています。牡馬との混合GⅠで①②着した、その切れ味は健在です。まともに予想すると、「これかな?」と思えます。池添騎手が言うように、牝馬と思わないで考えた方がいいのかも。一方で、骨折明けでいきなり32秒8の上がりはやり過ぎでは? という懸念も。また、最近は大人になって、馬場入りもスムーズになってきたということですが、昨年は返し馬もまともにできなかった前科があるだけに…。
⑧コスモバルク
帰ってきた北の星。オールカマーでは今までにない折り合いの付き方。前が開いた運があったとはいえ、中団からの差しが見れたあたりに収穫がありました。今回は攻め馬もスムーズでした。問題は今のバルクに上がり33秒~34秒台前半が出せるかということ。04年皐月賞の時計は今でも高評価できるタイムなんですが…。本質的には先行馬。差しで勝負するタイプではないでしょう。このあたりはオールカマー回顧でも触れていますが、最後に切れ負けする可能性が高いかも。
⑨インティライミ
前走は超スローの3番手でお上品な競馬をしてしまいました。この馬には精一杯の33秒4の上がりをマークしても、瞬発力比べではやはり分が悪かったです。今回は強気の主戦に戻り、おそらく逃げも辞さないでしょう。平均ペースに持ち込めば、ディープインパクトに真っ向勝負を仕掛けた昨年のダービーを想像できます。が、追い切りの動きは前走時の方がよく見えました。上積み?
⑩スウィフトカレント
休み明けの小倉記念はポッカリ開いた内を突いたもので恵まれたという印象でしたが、オールカマーは外々を回る苦しい展開ながらも、タイム差なしまで追い上げて、上昇を告げています。条件級でモタモタしていた当時とは馬が違ってきているかも。この鞍上も怖い。「横山典」という名前を見るだけで◎を打ちたくなってしまうところです(笑)。と言ってはみたものの、「本当にGⅠで大丈夫か?」と問われると答えに窮するところです。なんとなくイメージは昨年のヘヴンリーロマンスと被らないでもないのですが…。
⑪ファストタテヤマ
京都大賞典では外に膨れながらも32秒8の上がりでスイープトウショウとコンマ1秒差。ただ当時はベターな京都2400㍍。今回は札幌記念で足りないことが露呈した2000㍍。府中に良績もないだけに…。
⑫ハットトリック
昨年のマイルCS→香港マイルのパフォーマンスが素晴らしかっただけに、今年に入ってからのスランプはどう形容していいものか。脱出の糸口がつかめていない現状では、買うわけにはいきません。
⑬オースミグラスワン
何気に毎日王冠ゴール前の脚色は一番良かったようにみました。新潟大賞典の勝ちっぷりからも、同じ直線の長い左回り=東京2000㍍は合うのかも。とはいえ、新潟大賞典=所詮、ローカルGⅢ。本当にGⅠで足りるかとなると…。見栄えする馬っぷりはデビュー当時から注目していましたが、現状では?
⑭ダイワメジャー
苦手といわれていた東京も前走で克服しました。安田記念は内枠もありましたが、変に追い出しを待ったことが失敗。それが毎日王冠では活きていました。再び外枠を引けた今回もまた、自分のペースを守り、早め抜け出しの策を取るものと思います。それで後続を封じ込めるかどうか。前走の力強い走りからは信用に足るかなと思いつつ、ラスト12秒3が不満といえば不満(まだ余裕があったようには見えましたが)。上がり34秒台でしのげる流れを自分から作っていければいいのですが…。
⑮アドマイヤムーン
「この馬、消しちゃった!」にも書いたとおりですが、1ハロンの切れは抜群ですが、それだけで古馬相手にGⅠとなると、何かが足りないような。
⑯グレイトジャーニー
毎日王冠でも見せ場タップリ。ただ、流れ向いたはずの安田記念でも伸びきれず、札幌記念では距離が長いことが分かってしまっては、ここで通用の根拠には乏しいです。
⑰ローゼンクロイツ(小牧太→後藤)
なんとなく地に着かないフットワークが、GⅠでは頼りにできないところです。同じ橋口厩舎のハーツクライのスケールを5枚くらい落とした感じ(苦笑)。
これだけ書いておいて、まだ予想がまとまりません。とにかく一長一短。もはや決め打ちしかありません←このフレーズ、スワンSでも使ってますね(汗)。
◎⑭ダイワメジャー
○⑦スイープトウショウ
▲⑩スウィフトカレント
△⑧コスモバルク
△④ダンスインザムード
ノド鳴りが発覚した時(ちょうどオールカマーで殿負けしたくらいでしょうか)はどうなるかと思ったダイワメジャー。しかし、昨年のマイルCSであわやの②着、今年も②①④④①着。もう何の心配もいらないでしょう。母の父ノーザンテーストのなせる業、生命力に賭けたいと思います。
印をつけた5頭、全て5歳馬なんです。
種牡馬としても前途洋々のキングカメハメハ、今や“世界の”ハーツクライ。とにかく強い04年クラシック世代に、この秋の盾を託します。
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